ツルゲーネフを読みました

最近はほとんど小説を読まないのですが、ときどき発作が起きたように小説が読みたくなります。今回もこの発作が起きて、ロシアの小説家ツルゲーネフの書いた『春の水』と『初恋』を読み始めました。

私はロシアの小説が好きで、トルストイ、チエホフ、ショーロホフ、パステルナークの作品を良く読んでいました。ツルゲーネフは金持ちの貴族の家に生まれ、パリなどの西ヨーロッパに長く住んでいたためか、彼の文章はロシア式の重苦しい表現がなく、フランスの小説のような雰囲気があります。

ツルゲーネフがどういう人物なのか興味を持って調べてみたら、彼は純粋のロシア人ではないことが分かりました。

13世紀にチンギスハンの孫であるバトゥが、ロシアに攻め込んでキプチャク汗国を作りました。ツルゲーネフの先祖は、バトゥに従っていた蒙古人らしいのです。

ロシアの貴族には、キプチャク汗国にいた遊牧民の子孫が結構多いです。ロシア革命の時に怪僧ラスプーチンを撃ち殺したユスポフ公爵は、バトゥに従ってきたイスラム教徒の子孫だということです。

私が大学院で仏教を学んでいる時、モンゴルやチベット・ウイグルなどの遊牧民に広まった仏教を研究している教授の授業を聞いていました。この先生は雑談の名手で、「オーム真理教は、礼拝堂をサティアンと呼んでいたが、これはサンスクリット語だよ。オーム事件の時はマスコミからよく取材を受けたよ」と仰っていました。

ソ連が崩壊した時に、エリティンが大統領になりましたが、名前から判断すると彼の先祖は遊牧民だそうです。またプーチンの先祖も遊牧民系の狙撃手らしいとのことです。

蒙古人がロシアに攻め込んだのは700年前ですが、それ以降ずっとロシアの軍人には蒙古系が非常に多いです。ロシア革命が起きさらにソ連が崩壊したあとでも、この事実は変わっていないようです。

ロシアという国の本質を垣間見た気持ちになりました。

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