ヨーロッパの移民問題をパソコンで検索していて、『航空万能論』という軍事系のブログにたどり着きました。その中に、「衝突する共和国の価値とイスラム教の信念、フランス軍の現役将校や退役将軍が内戦の危機を警告」というのがありました。これは、RFIという外国のメディアが報じた「軍人の集団がマクロン大統領に警告している、フランスは今危機にさらされている(5月10日付)」という記事を引用したものです。
内容は下記のようになっています。
フランス軍人たちがマクロン大統領に嘆願書を送ったのです。嘆願書がバルール・アクチュエールという保守系の雑誌に掲載されたので、フランス中がこの嘆願書のことを知り、フランスではちょっとした騒ぎが起きました。
この嘆願書は、「大量に流入したイスラム分離主義者によってフランスは内戦の危機に瀕している」と訴えています。フランスには、およそ600万人のイスラム教徒がおり、中でも25歳未満のイスラム教徒の多くは、「イスラム教の信念は共和国の価値より重要だ」と考えています。彼らは、共和国の憲法や法律を無視してイスラム法に従うので、フランスは共和国の価値を信じる社会とイスラム教の信念を重視する社会とに分断されているわけです。
このような現実に対して、マクロン大統領は「国内のイスラム教徒を孤立させたのは我々自身で、国内のイスラム教徒を共和国の社会に統合しない限りイスラム分離主義者の問題は解決しない」という立場をとっています。
「フランスとは違う文化と宗教を持つ者たちは、フランスに同化できない。マクロン大統領の考え方には賛成できない」と考えた軍人たちが、公開書簡を雑誌に掲載したわけです。現役のフランス軍将校と退役将軍の計80人が、この書簡に実名で署名を行ったようです。
この公開書簡に対し、ジャン・カステクス首相は「共和国の原則や軍人の義務に反する行為だ」と反発し、統合参謀総長のフランソワ・ルコワントル将軍も、公開書簡に署名した現役将校に対しては強制除隊や懲戒処分を行う、と言っています。
すると今度は、軍の治安維持活動にも参加した現役兵士達が、実名で署名した公開書簡を同じ雑誌に掲載し、「マクロン大統領がイスラム教徒に譲歩しすぎているためフランスの生存自体が危ぶまれている」と警告しました。また、「イスラム教徒にとってフランスは皮肉、軽蔑、憎しみの対象でしかなく国内での内戦は静かに始まっている、マクロン大統領はそのことに気づいているはずだ」とも述べています。
次回に続きます。