森友問題の特殊性には、籠池さんが特殊だという意味も含まれている

籠池さんは、「自分は多くの大物と友達なんだぞ」と自慢するタイプのオジサンです。森友学園が運営する塚本幼稚園のホームページには、「天皇陛下が幼稚園に視察にお見えになった」とウソを書いています。

また、新たに作る小学校の名前を「阿部晋三小学校」と名付ける、と阿部総理の了解もないままにあちこちに宣伝していました。そしてその夫人の昭恵さんに無理やりに塚本幼稚園の名誉園長になってもらいました。

昭恵夫人がこの幼稚園に来訪して講演をした時に、籠池さんは聴衆に彼女のことを「名誉園長」と紹介してしまいました。そんなことを事前に聞いていないので彼女は抗議しましたが、籠池さんは「もう名誉園長と紹介してしまいました」として、強引に承諾させてしまいました。このように籠池さんは、何事も強引に進めようとします。

財務省の決裁文書に添付されていた文書のひとつに「学校法人 森友学園の概要等」というのがあり、そこに理事長である籠池さんのことが詳しく書かれています。
籠池氏は、日本会議大阪の代表・運営委員であること。その関連団体に「日本会議国会議員懇談会」があり、その特別顧問が麻生太郎財務大臣、会長が平沼赳夫議員、副会長が阿部総理であることも記しています。
さらに、森友学園には、中山成彬議員、平沼赳夫議員、日本維新の会の女性局(三木圭恵議員、上田小百合議員)、阿部昭恵総理夫人が来訪した事実も記されています。

籠池さんが例によって、「自分は多くの大物と友達なんだぞ」と近畿財務局の職員に自慢し、強引に土地価格の値引きを要求していたのです。それを相手の職員は、そのまま添付資料に書いたわけです。

籠池さんは近畿財務局の職員にとって、非常にやりにくい相手でした。財務省の決裁文書の中で強調している「本案件の特殊性」の中には、「交渉相手の籠池さんが特殊だ」という意味も含まれています。

なお、添付文書を読むと、籠池さんの陳情を受けた鴻池議員の秘書は、実際に近畿財務局に電話をかけて土地の値引きを要請していました。しかし近畿財務局は、この要請を拒否しました。