陳情を否定するのは憲法違反

請願とは、「国や地方公共団体に意見や要望、苦情の要請を行う事」で、日本国憲法第16条でも次のように規定されている権利です。「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」

この憲法16条を受けて、「請願法」が制定されています。請願は用紙に住所・氏名を書いて議会や官庁に提出しなければならないので、かなりめんどくさいです。文書に書いて提出する請願は古くからある制度です。江戸時代にも、殿様やお奉行様への直訴や目安箱の制度がありました。

狭義の請願は紙に書いて提出するものですが、政治家への陳情やデモ行進も広義の請願なので、憲法で認められている権利です。政治家は選挙区で住民集会を開き、住民の様々な要望に耳を傾けていて、その件に関して関係省庁に口利きをしています。つまり政治家は陳情という名の請願を受け付けて、それを処理しているわけです。

政治家や役人は、請願を受けたらそれを公正に処理しなければなりません。彼らが請願を公正に処理しているか否かを判断する基準が、彼らが賄賂を受けとったか否か、です。

政治家や役人が陳情を受けた時に賄賂をもらったら、犯罪になります。
刑法197条ノ四(あっせん収賄)は、政治家が賄賂を受けて役人に不正な行為をさせることを禁止しています。しかし、「斡旋利得処罰法」は、役人がやった行為が妥当であっても、政治家が賄賂を受け取って口利きをしたら処罰します。

つまり、政治家が賄賂を受け取って口利きをしたら、それだけで犯罪になります。しかし、賄賂を受け取らずに役人に口利きをし、正しい行政をさせる分には、何の問題もありません。憲法が請願を権利として認めているので、当然のことです。

マスコミの報道は、政治家を攻撃するとき、わざとそこをあいまいにします。そのために一般の国民は、政治家の口利き自体が良くないことだ、と誤解してしまします。そうなると政治家が委縮して陳情を受けなくなります。その結果、杓子定規で硬直した行政や省益を追求した行為が野放しになってしまいます。

コメント

  1. 日本太郎 より:

    私もこの件について興味があったわけではないので、まとめ記事などを読んだ上での推測ではあるのですが。
    もしかすると籠池氏は「自分は腐りきった日本の教育を改革する。そのためには少々の法律違反は仕方が無い」と考えていたのかもしれませんね。
    「神風が吹いたと思った」発言などを見ると、かなり宗教的情熱を持って行動していたようにも思えます。もしかすると、財務省の職員は、安部首相への忖度と言うよりも、籠池氏の「神がかり的エネルギー」に圧倒されて、つい「優遇措置」を採ってしまったのかもしれません。
    226事件のときも、軍首脳部は「革命軍なのか反乱軍なのか、にわかに判断できなかった」と言っています。
    「真の誠実さ」とは何ぞやと考えさせられる事件ではあると思いました。