おしゃか様は差別を認めなかった

およそ3000年前、白人のアーリア人がインドに攻め込んで黒人系や黄色人種系の原住民を奴隷にしてカースト制度をはじめました。アーリア人が始めたバラモン教は、人種や階級差別を積極的に認める宗教です。

ところがおしゃか様は、そのような差別を認めませんでした。

大乗仏教もおしゃか様の無差別主義を受け継いでいます。それどころか、どんどんエスカレートしています。黒人と白人の肌の色が違うのは事実ですが、大乗仏教の中の如来蔵思想派という一派は、その明白な事実さえ認めようとしません。日本の仏教は如来蔵思想派です。

如来蔵思想派の主張はむやみに難しいのですが、一応簡単に説明しておきます。無理に理解をする必要はないので、さらっと読み流してください。

如来蔵思想は、物質など存在しない、と主張します。ほんとうに存在するのは「真如」というものだけです。ではその真如とはいかなるものかについては、「説明できない」と言っているだけです。

さとっていない未熟な者は、その真如をあるがままに見ないで、物質のように見てしまうのです。真如を見ても、ある時はそれが白人のように見え、ある時は黒人のように見え、別の時は犬や山に見えるのです。
つまり、あらゆる物はまぼろしであり、さまざまな肌の色の人間が存在しているように見えるのも、まぼろしなのです。