EUは共通の文化を持っている仲間を選んでいる

日本の総人口は1億2700万人ですが、アメリカとEUは3億人を超えていて、GDPも日本の3倍あります。しかし日本は、これだけしかない人口と経済力で自立するしか方法がありません。

西欧諸国は、どの国も人口や経済規模で日本やアメリカに対抗できません。そこでドイツやフランスなどの諸国がEUを結成し、人口と経済規模を大きくして競争力を高めようとしました。

EUを結成することができたのは、加盟諸国の宗教が共通しているからです。どの国の国民もキリスト教徒で、カトリックかプロテスタントのどちらかです。プロテスタントは500年前にカトリックから分離したもので、両者の基本的な教義は大きくは違いません。EUは共通の宗教を持っています。

ギリシャ・ルーマニア・ブルガリアの3つの小国だけは、ギリシャ正教という別種のキリスト教を信奉していますが、EUに所属しています。ギリシャはまさに古代ギリシャ文明が栄えた地で、ルーマニアとブルガリアは古代ローマの重要な一部で、ここで北方から侵攻してくるゲルマン人と対峙していました。古代ギリシャ・ローマを文化の源とする西欧にとっては、これらの3国は別種のキリスト教国ではあっても、仲間だと認識しているわけです。

ウクライナやロシアもギリシャ正教の国ですが、古代ローマの版図に入っていなかったので仲間とは認定されず、EUに入っていません。

トルコやエジプト・アルジェリアなどの北アフリカ諸国はかつてはローマ帝国の版図に入っていてキリスト教も普及していました。しかし今はイスラム教に入っているので、EUに入っていません。

このようにEUは、カトリック文化圏か否か、ギリシャ・ローマ文化圏か否か、という二つの基準を用いて、共通する文化を持っている仲間だけを慎重に選んでいます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする