『チャタレー夫人の恋人』を読みました

イギリスやアメリカの小説やテレビドラマには、「イギリス貴族もの」というジャンルがあるそうです。 「イギリス貴族もの」の古典に『チャタレー夫人の恋人』があります。

日本ではこの小説が「猥褻物頒布罪」で訴えられました。読み終えた時、私は「どこが猥褻なの?」と不思議に思いました。これは決してポルノではなく、むしろ社会小説です。

舞台は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間のイギリスです。
従男爵であるチャタレーに嫁いだコニーという女性(チャタレー夫人)とその館の森番であるメラーズが主役です。身分違いの二人がデキてしまい子供まで孕んだ、という筋書きです。

イギリスの身分制度は結構ややこしくて、従男爵(baronet)はサーの称号を持っていますが、男爵以上の爵位を持つ貴族とは区別されています。

サーの称号を持つ者は、従男爵とナイトの二種類があって、従男爵はサーの称号を世襲しますが、ナイトは国王から一代限りでサーの称号を授与されます。

夫のチャタレーは世襲のサーですが、妻のコニーは一代限りのサーであるナイトの娘です。コニーは玉の輿に乗ったわけですが、結婚直後に夫が戦争で半身不随になり、夫婦の営みができなくなります。

身分にやかましい90年前のイギリス上流社会でレディー(サーの奥方)が使用人である森番とデキてしまったので、大騒動が持ち上がります。

この小説は、「ヘエ、階級が違うと相手をこんな風に見るんだ」と驚くような記述があります。この本、なかなか面白いですよ。