日本人はなぜ、まともな国を作ることができたのか

日本では、権力者が何千億円という額の汚職をするとか、政敵をいきなり逮捕したり暗殺したりすることはありません。大災害が起きても略奪暴動は起きず、被災者は静かに救援を待っています。

駅のホームでは列を作って順番を守っているし、赤信号の時に無理に道路を渡る人もいません。空気中の有害物質で50メートル先が見えないということもありません。

中身を詳しく見ていけば問題はいろいろありますが、全体として日本は相当まともな国です。こういう国を近代国家と言い、先進国というのです。

近代国家だと一般に認められているのはG7諸国ですが、日本以外の6ヶ国は全てキリスト教国です。これらの国々の住民は、自分たちは同じ「国民」なのだという一体感を持ち、互いに助け合います。

お互いに助け合うことによって人々の意思疎通がスムーズになり、産業革命が起きて国が豊かになりました。これらの変革の原動力になったのが、キリスト教の信仰から生まれた「自由」という考え方です。

日本も他のG7諸国と同じ経緯をたどって近代国家を作りました。明治維新という内乱を起こして近代的な政治体制を作り、すべての日本人は天皇陛下を戴く仲間だという一体感を持ち、産業革命に成功しました。これらの変革の原動力になったのが、神道の信仰から生まれた「誠」という考え方です。

近代国家を作るには、「自由」または「誠」の考え方が必要なのです。日本以外のアジア諸国が近代国家になれないのは、国民が広く助け合わないからです。即ち、「自由」や「誠」の考え方を持っていないからです。

なお、南米や東欧もキリスト教国なのになぜ近代国家になっていないのだ、という疑問があります。私は、これらの諸国は1000年以上キリスト教の伝統が続いていないので、隣人愛の発想が定着していないからだ、と考えています。

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