党内の序列によって、おかずが違う

日本共産党自身も、ソ連が崩壊したので共産主義自体に疑問を持つ人たちが増えたということを分かっているでしょう。政策をソフト路線に転換し、組織の足腰が弱くなっていることをカバーして浮動票の取り込みを図っています。

いくらソフト路線をとっていても、日本共産党が共産主義をめざしていることに変わりはありません。ソ連と同じように、「共産主義を強固にする目的があるなら、自由を認める」と考えています。ということは、現在の日本で認められている自由の多くは共産主義を強固にするものではないので、日本共産党政権のもとではなくなるということです。

では今後、日本共産党が政権をとる可能性はあるでしょうか? 先のことを予測しても無意味ですが、個人的にはそのようなことは起こらないと考えています。日本共産党は、今年創設95周年を迎える日本最古の政党です。古い組織にありがちなことですが、日本共産党も組織の目的を成し遂げようとする真剣さが薄らいでいるように、私は感じています。

3年おきぐらいに「日本共産党大会」が開かれ、2000人程度の幹部が参加します。お昼には全員にお弁当が配られるのですが、幹部には特別におかずが追加されるそうです。幹部だけにお弁当を用意するというのはままありますが、みなが食べる弁当に特別におかずを追加するというのは、日本人の発想ではありません。

共産主義というのは、「能力に応じて働き、必要に応じて配分する」という考え方です。弁当に関しても、党内の地位の上下は関係なく、歯の弱い老人には柔らかいものを用意するとか、食物アレルギーに対応するとか、ニーズに応じて弁当を用意するというのが、共産主義のはずです。

弁当など細かいことですが、こういう細かいことに人間の考え方が素直に現れます。大会に出席した2000人の誰も、お弁当に疑問を感じなかったのでしょうか。感じても、そのことを口にできなかったのでしょうか。はたして日本共産党は、本気で共産主義を実現しようと考えているのでしょうか。

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