正しい心を求めているうちに近代国家ができてしまった

西欧で革命が起きる時、必ず「自由」が主張されます。最初の革命は17世紀半ばにイギリスで起きた「清教徒革命」です。

当時のイギリス王は、国民に英国国教会のキリスト教を信仰するように命令しました。ところがプロテスタントの信者たちは、英国国教会はインチキ宗教だと思っていました。そして、自分たちこそ神と同じ正しい心を持っており、多くの国民をインチキ宗教から救い出すという人助けを行おうと考えました。

そのためには国王の命令を破らなければなりません。「正しい心を持っている」「人助けをする」という二つの条件を備えているので、プロテスタントは王様の命令に反対する自由があると思い、革命を起こしました。

幕末の日本は、欧米の植民地になる寸前の状態でした。その時に尊王思想を持っていた武士たちは、日本人を欧米列強の手から救うために天皇陛下を中心とした新しい国家を作らなければならないと考えました。ところが幕府や自分たちの殿様は、天皇陛下中心の国を作るのを邪魔しました。そこで彼らは脱藩して、幕府を倒す運動を始めました。

当時、脱藩は重大な犯罪でした。まして時の政府である幕府を倒すのは内乱罪になります。そこで尊王攘夷の武士たちは、自分たちのしていることが誠の二つの条件を満たしているかを検討しました。そして、天照大神を信じているから正しい心を持っており、日本人を救うという正しい目的のためだから、脱藩や内乱罪を犯しても構わないという結論を出し、明治維新を遂行しました。

魂と魂が触れ合って元気になると考える民族は先進国を作り、外観を重視する国民がいつまでたっても近代国家を作れません。それには相応の理由があるのです。

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