トランプさんの「暴言」

トランプ大統領が立候補を表明した当初は、泡沫候補の扱いで誰もまともに相手にしていませんでした。ところがしぶとく生き残るにつれて、マスコミは「暴言王」などとメチャクチャに叩きはじめましたが、それをはねのけて大統領になってしまいました。

日本のテレビを見ているだけでは正確なことが分からないので、私はネットで検索してみました。そうしたらアメリカではいろいろな意見があり、「暴言」にもかかわらずトランプさんの支持率がかなり高い、ということが分かってきました。

トランプさんの「暴言」の多くは人種差別や宗教差別に関するものです。日本のマスコミは人種・宗教差別の発言を何の疑問もなく「暴言」としていますが、果たしてアメリカ人にとっても暴言なのでしょうか。これを暴言だと感じたのなら、なぜアメリカ人は彼を大統領に選んだのでしょうか。

1776年 アメリカ独立宣言(自由と平等の権利を保障した)
1865年 アメリカ憲法に奴隷禁止の条項を追加した(1861~1865年 南北戦争)
1971年 黒人に実質的に選挙権が認められた

独立戦争の際、アメリカは「独立宣言」によって、国民に自由と平等を保障しました。ところが独立後も、黒人を奴隷にすることが認められていました。黒人奴隷を解放するためにアメリカは、60万人以上が戦死をした南北戦争をしましたが、黒人は奴隷でなくなっただけで、選挙権などの権利を実質的に認められませんでした。

黒人が公民権を認められたのは、南北戦争から百年以上たった第二次世界大戦後のことです。つまり、アメリカでは自由という権利と黒人奴隷は矛盾しないのです。

英語の「フリーダム」と日本語の「自由」は、明らかに意味が違います。しかし日本のマスコミはそのことを知らないので、トランプさんの発言を無邪気に「暴言」と決めつけ、こんな男が大統領に選ばれるはずがないと予測し、見事に恥をかきました。