トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった

2016年の大統領選挙の時、トランプは民主党だけでなく共和党内のネオコンからも非難されました。民主党とネオコンの共通点は、どちらもグローバルな考え方を持ち、民族や国家の違いを無視する点です。

これに対してトランプは、「アメリカ・ファースト」という標語で対抗しました。2016年の大統領選挙の争点は、「グローバル」か、「アメリカ・ファースト」か、ということでした。

トランプは「アメリカ・ファースト」を掲げて、工場をアメリカに呼び戻し中国などの外国に奪われた雇用を取り戻そうとしました。また、メキシコからの不法移民を阻止してアメリカ人の雇用を守ろうとしました。

トランプの「アメリカ・ファースト」は、経済面ばかりが注目されていますが、実はそれだけではなく文化的な意味もあります。彼は選挙期間中に、「自分が大統領になったら、メリー・クリスマスと言おう」と発言しました。

当時のアメリカでは、「ポリティカル・コレクトネス(言葉狩り)」が盛んにおこなわれておりました。「メリー・クリスマスと言うことはキリスト教の信仰を誇示する行為であり、異教徒への差別に当たるから、他人の前で言ってはいけない」とされていました。

これは、民族の固有文化や国家を否定し世界を一つに無理やり統一しようとしよう考え方で、まさにグローバル主義です。多くのアメリ人はこの言葉狩りに抵抗できず、クリスマスの時は「ハッピー・ホリデイ」としか言えなかったのです。

これに対してトランプは、Freedomを主張したわけです。一般的には彼は「自分の信仰を邪魔されずに行えるのは当然だ」という、いわゆる信仰の自由を主張した、と考えられています。

しかしトランプは、意外なことに非常に敬虔なプロテスタントの信者で、若いときからニューヨークにあるマーブル教会に何十年も通い続けています。決して選挙を意識して最近になって教会に通いだしたのではありません。

イエス・キリストを信じる人間だけが正しい心を持てる、と考えるのがキリスト教です。だから、「信仰の自由」という法的権利を主張するだけでなく、キリスト教の信仰を積極的に擁護し復活させようという気持ちが強かったのだろう、と私は想像します。

アメリカはキリスト教の移民によって建国されたキリスト教国です。だから「アメリカ・ファースト」ということは「キリスト教ファーストだ」ということなのでしょう。

ペンス副大統領は、頑固なほどのカトリック信者です。このことから、トランプとペンスのコンビは、アメリカの伝統的なキリスト教の信仰とFreedomを復活させようとしているように見えます。