アメリカのFreedomを変えたのは社会主義

アメリカは建国以来、キリスト教を信仰しFreedomを大事にしてきました。アメリカ史上でFreedomに関係する事件と言えば、南北戦争(1861年~1865年)の結果、黒人奴隷制度が廃止されたことです。

イエス・キリストを信じないと、神様はその人間の心を正しくせず邪悪なままに放置します。そのような異教徒は強制的に正しいことをさせなければならない、というのがFreedomの考え方です。だから異教徒の黒人を奴隷にしたわけです。

それではアメリカに来てからキリスト教徒になった黒人はどうすべきか、ということが問題になってきます。そこで黒人奴隷賛成派が持ち出したのが「予定説」です。その人間の運命や考え方を神様はその人間が生まれる前にあらかじめ決めていて人間はそれを変えられない、という説が予定説です。努力しても結果は変わらないのです。

神様は黒人が生まれる前にあらかじめ、イエス・キリストを信じることが出来ない人間として作った、というわけです。だから黒人の心は邪悪なままであり、奴隷にするしかないのです。この説は一見トンデモ説のように見えますが、キリスト教の教義を突き詰めると、予定説は理論的に成り立ちます。

南北戦争の結果、黒人奴隷の制度は廃止されました。しかしこれは表面的なことに過ぎず、黒人に対する差別はその後も残りました。Freedomの考え方はこの戦争によっても大きく変わらなかったので、人種差別はその後も健在だったのです。

20世紀初頭の日露戦争後に、アメリカは日本人移民を排斥しましたが、これもFreedomの考えに基づく人種差別です。この事件は、日本とアメリカが戦争をした原因の一つです。

結局、アメリカ人のFreedomに対する考え方に影響を及ぼしたのは、社会主義です。第一次世界大戦中にロシア革命が起こり、世界中で社会主義が流行り、アメリカもその影響を受け、またソ連は、アメリカで社会主義が普及するように積極的に工作活動を行いました。

アメリカ人のFreedomに対する考え方が徐々に変わってきて、1960年代になって、黒人の参政権が認められるようになりました。そして、公の場で黒人を差別してはならない、という風潮が強くなっています。しかし、市民レベルでの人種差別はいまだに強いです。

以下はひと続きのシリーズです。

9月22日 アメリカはできた当初からキリスト教国家である

9月24日 自分が正しいと思っているから、アメリカは戦争ばかりする

9月26日 南部は、北部の文化の押し売りを嫌がって、南北戦争を起こした

9月29日 アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い

10月1日 アメリカのFreedomを変えたのは社会主義

10月3日 アメリカでは、民主党が社会主義化した

10月6日 共和党にグローバリストのネオコンが入り込んだ

10月8日 アメリカはどんどんグローバル化した

10月10日 オバマは社会主義者でグローバリスト

10月13日 トランプは、共和党の中のネオコンと戦って大統領になった

10月15日 トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった

10月17日 トランプの「アメリカ・ファースト」はFreedom

10月20日 アメリカは今でも白人が圧倒的に多い

10月22日 ユダヤ人のほとんどは、アメリカとイスラエルに住んでいる

10月24日 第二次大戦後にアメリカはイスラエルを特別扱いし始めた

10月27日 「聖書の予言は必ず実現する」とアメリカの福音派は思った

10月29日 8000万人のアメリカ人が最後の審判を信じている

10月31日 アメリカでの宗教の自由

11月3日 スンニー派とシーア派の対立は、宗教対立ではない

11月5日 イランは、中東の他の国とは人種が違う

11月7日 イスラム教には、Freedomや誠の考え方がない

11月10日 イスラム教徒は、社会的ルールを破る必要がない

11月12日 支那人は、血族が集まって集団を作る

11月14日 支那では、宗族しか頼りにならなかった

11月17日 支那人には、仲間を助ける、という発想がない

11月19日 朝鮮では、儒教は消滅した

11月21日 新羅は民族国家ではなかった

11月24日 南北朝鮮が、対等な関係で統一されることはない

11月26日 日本は、朝鮮を相手にすべきではない

11月28日 アメリカと西欧は、基本的に似ている

12月1日 バラモン教の信用が落ちてきた

12月3日 インドに行けば、日本人は下層民扱いを受ける

12月5日 これから、宗教の違いが重要になる

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