アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い

黒人奴隷問題は、南北間にある様々な考え方の相違の一つに過ぎませんでした。だからリンカーン大統領は、南部の離脱を防ぐために南部の奴隷制維持を認めるとまで約束しました。しかし、北部の正義の押し売りを嫌がった南部は、アメリカ合衆国からの離脱を思いとどまりませんでした。

南軍は北軍によって徹底的に殲滅されました。南軍の戦死者は30万人以上で白人人口の6%になります。350万人いた黒人奴隷は徴兵されなかったので、戦死者もいませんでした。大東亜戦争の時の日本人の死者が300万人で総人口の4%ですから、南軍の被害の方が多いのです。

アメリカ人(特に北部のアメリカ人)は、自分は正しく相手は邪悪だと考えます。だから相手を打ち破った後、相手には独自のそれなりの文化があることを認めず。敗者を自分の考えに従わせようとします。

大東亜戦争の敗戦後に、日本はアメリカの占領軍によって言論統制を受けて洗脳され、社会体制も財閥解体や農地解放などによって、アメリカが正しいと思うように変えられました。実は、同じようなことが南北戦争敗戦後の南部でも起きました。

南北戦争時の南部を舞台に、マーガレット・ミッチェルが書いた『風と共に去りぬ』には、北軍占領下の南部で強制的な洗脳と旧体制破壊が行われたことが描かれています。例えば、州議会選挙の時に白人には選挙権を認めず、黒人が議員になるように工夫をしたことなどです。

南北戦争から150年経過していますが、今でも南部人には南北戦争の後遺症がある、と言われています。実際、大統領選挙の時は、反権力の色彩が強い民主党が南部諸州を抑えています。世界中で反米闘争が起きるときは、デモ隊が「ヤンキー・ゴーホーム」と叫びますが、ヤンキーというのは、もともとは南北戦争時に南部人が北部人につけた蔑称です。

世界中のあらゆる国に一定数のアメリカ嫌いがいます。それはアメリカ人が、自分たちが正しいと思いこんで、それを外国人にも押し付けるからです。これは、「イエス・キリストを信じれば、神がその人間の魂を正しくする」というキリスト教の教義から来ています。そのために、アメリカ人に文句を言ってもそう簡単には治らないと思います。

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