昭和初期には「間抜け」が大勢いた

ロシアやアメリカで、第二次世界大戦の開戦にかかわる極秘文書が公開されたのにもかかわらず、日本のほとんどの現代史専門家はコミンテルンの日本における活動を研究しようとはしません。コミンテルンの研究をしたら、学会から村八分にされそうな雰囲気もあるようです。

そういう中で、江崎道朗、倉山満一などの学者が研究を始めています。彼らに共通しているのは、戦前のアカ(社会主義者)と革新派は、結局は同じなのだと考えているということです。日本共産党の党員も革新派官僚も2・26事件で決起した青年将校も、細かい違いはあるが大きく見れば同じなのです。

FBIのフーバー長官は、ソ連の工作員には五種類ある、と言っています。
公然の共産党員
非公然の共産党員・・・共産党に所属しているのを隠している
同伴者・・・共産党に入っていないが、自発的に共産党を支援する者
機会主義者・・・一時的に自分の利益のために、共産党に協力する者
間抜け(デュープス)・・・知らず知らずに共産党に利用されている者
「間抜け」とは、今の日本でいえば吉永小百合がこれに該当しそうです。彼女は日本共産党の宣伝によく出ていますが、本人は自分が共産主義者だとは思っていないでしょう。

上記の先生たちは、表現の仕方は様々ながら、「戦前の日本には、主観的には愛国者なのにソ連に利用されていた間抜けがたくさんいた」と説いています。日本と戦争を始めたフランクリン・ルーズベルトも、「間抜け」だったという理解です。あるいはもっと上の「同伴者」か「機会主義者」に該当するかもしれません。

確かに、昭和初期の日本には「間抜け」がたくさんいた、ということを前提にして当時のことを振り返ると納得できることが多々あります。もちろん、日米戦争の理由はそれだけではありません。しかし私は、これも大きな原因だったと今は考えています。

これから、上記の先生方が書いた内容を参考にして記事を書いていきます。

以下はひと続きのシリーズです。

4月4日 右翼・左翼という言葉を使うと、現実が分からなくなる

4月7日 私有財産の否定は社会主義の条件ではない

4月9日 二つの大戦の間、多くの国が社会主義化した

4月11日 社会主義もFreedomから生まれた

4月14日 社会主義は独裁を志向する

4月16日 アメリカが石油を禁輸したから戦争になった、というのは説明になっていない

4月18日 英米は、歴史的に仲が悪かった

4月21日 ソ連の工作機関が、アメリカを戦争に誘導していった

4月23日 昭和初期には「間抜け」が大勢いた

4月25日 「右翼」「革新派」の多くは社会主義者だった

4月28日 ウィルソン大統領はソ連を助けた

4月30日  アメリカ嫌いの日本人が増えてきた

5月2日 日本は社会主義思想への対応を誤った

5月5日 金本位制復帰も、日本が社会主義化する大きな要因だった

5月7日 青年将校は急激に社会主義化した

5月9日 反乱を起こした青年将校は、社会主義者を指導者に仰いでいた

5月12日 ソ連が出した大金が、日本の軍人に渡った

5月14日 陸軍主流が、ソ連容認派になった

5月16日  国民は政党を見放し、軍人を支持した

5月19日 軍の幹部も社会主義化した

5月21日 日本共産党員も獄中転向し、非マルクス系の社会主義者になった

5月23日 天皇制を認めれば、社会主義を信奉してもOKになった

5月26日 ソ連のスパイが、近衛首相に政策提言をしていた

5月28日 近衛文麿は、多重人格者だった

5月30日 ソ連のスパイの尾崎秀実は、支那事変拡大を煽り立てた

6月2日 首相のブレインや官庁が、社会主義を主張していた

6月4日 支那との和平に社会主義者が反対した

6月6日 日本を社会主義化するために、戦争を利用した

6月9日 日本は、冷静な現状分析をしていなかった

6月11日 戦争を続けることが目的になった

6月13日 憲法が規定する自由主義の原則を、国の役所が否定した

6月16日 ソ連は、間抜けな社会主義者を利用した

6月18日 軍国主義者や右翼が悪い、というのは説明になっていない

6月20日 近衛上奏文には、本当のことが書かれていた

6月23日 昭和初期の日本の経済には、社会主義化するような必然性はなかった

6月25日 日本は、関東大震災後のバブルへの対応を誤った

6月27日 日本が社会主義化した大きな原因は、Freedomが輸入品だったこと

6月30日 「勝手気ままに金儲けする自由」では、社会主義に対抗できなかった

7月2日 隣人愛を誤解した外務大臣

7月4日 自由は、軍人にとって危険思想

7月7日 地獄への道は、善意で敷き詰められている

7月9日 朝日新聞は、社会主義を目指す

7月11日 国会が機能マヒしている

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