樺太から南下する陸路の他に、東南アジアから台湾を経由して黒潮に乗って日本にやってくる海路もありました。南方から日本にやってきた我々のご先祖様は、稲を日本に持ち込んだようです。
12000年前の鹿児島県耳取遺跡・仁多尾遺跡や9500年前の島根県板屋Ⅲ遺跡から、稲作をやっていたかもしれない痕跡が見つかっていますが、確実ではありません。しかし、6000年前に日本列島でジャポニカ米が栽培されていたことは、明らかです（水田耕作ではなく、陸稲栽培でした）。
7000年前に長江（揚子江）下流で稲作が始まっているので、ほぼ同時期に日本で稲作が始まっているのです。そして3000年前に九州北部で、灌漑施設を伴う水田稲作が行われていました。同じ頃に朝鮮でやっと陸稲栽培が始まったので、日本より3000年遅れています。だから、「朝鮮人が日本に来て縄文人に稲作を教えたり、追っ払って稲作を始めた」というのは真っ赤なウソです。
そもそも朝鮮は九州より北にあるので、熱帯性の植物である稲が日本より先に栽培されるというのも納得できません。DNA鑑定をすると、日本の稲と支那や朝鮮の稲は別系統であることが分かりました。黒潮に乗った我々のご先祖様が、稲作を直接日本に持ち込んだ、と考えられます。
このように遺伝子工学の発達によって、古代史が急激に書き改められています。余談ではありますが、長江で農業が始まったのは黄河周辺より早いので、今では世界の四大文明は、エジプト・メソポタミア・インダス・長江になっていて、黄河文明は脱落しています。
16000年前に作られた縄文土器が青森で発掘されましたが、これはメソポタミアの土器より古く世界最古です。また少なくとも6000年前から稲作をやっていた点から考えると、日本の縄文文明は世界五大文明の一つなのかもしれません。
われわれは、古代の日本にもっと誇りを持って良いと思います。ところが、「朝鮮人が日本人に何でもかんでも教えてやった」というデマが広まっています。その理由の一つは、日韓併合の時に、日本人と朝鮮人は同祖だ、という捏造を日本の御用学者が行ったからです。また敗戦後に、アメリカ占領軍が意図的に日本人の誇りを奪うような政策を行ったからでもあります。