「日本国憲法」は大日本帝国憲法を改正したという形式になっているが、改正条項違反で無効である

昨日説明した「占領軍が勝手に作った説」の他に、もう一つの無効説として、「大日本帝国憲法第75条違反説」があります。

この説は、弁護士の南出喜久治先生が唱えていて、著書に『占領憲法の正體 國體護持概説書』があります。また上智大学教授だった故渡部昇一教授との対談本『日本国憲法無効宣言』もあります。

南出喜久治弁護士は、大学を出ていません。高校を卒業後、弁護士事務所で働きながら、独学で法律を勉強した努力家です。そのために変な洗脳を受けなかったので、「大学の法学部に行かなかったことが、私にとってある意味、正解だった」と書いています。

彼は「日本国憲法」は、大日本帝国憲法の第75条違反で無効だ、と主張しています。実は、「日本国憲法」は、大日本帝国憲法を改正した、という形式になっているのです。従ってこの憲法の改正条件に反していれば、改正は無効になるのです。
大日本帝国憲法第73条:「将来此ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅令ヲ以テ議案ヲ帝国議会ノ義ニ付スヘシ」

憲法改正案を作成して議会に提示するのは、天皇陛下です。
大日本帝国憲法第75条:「憲法及皇室典範ハ摂政ヲ置クノ間之ヲ変更スルコトヲ得ス」

天皇陛下が幼少だったり病気だったりその他の理由で政務が出来ない時は、摂政が置かれます。このように天皇陛下が自分の意志を明らかにできない間は、憲法改正はできないのです。

「日本国憲法」は敗戦の翌年に改正されましたが、その時はアメリカ占領軍のマッカーサー将軍が日本の全てを統制していて、天皇陛下の権力はそれに従属していました。つまり、マッカーサーは摂政のような存在で、天皇陛下は自分の意志を表明できませんでした。

従って、第75条の準用をすべきです。その結果、この時の憲法改正は無効です。まともな法的思考をする人であれば、この主張に反論できません。