イランとアメリカの主張には、それぞれ弱点がある

ハメネイ師は筋金入りの革命家です。神学校でイスラムの諸学問を学んだ後に、ホメイニ師(イラン革命の立役者)の弟子になってイスラム法学を勉強しました。1962年(イラン革命が成功する17年前)にホメイニ師匠に従って武装蜂起して失敗し、その後何度か投獄されています。

イラン革命が成功した年の2年後に大統領になり(1981年)、師匠のホメイニ師の死後30年間も最高指導者をつとめています。通算して40年近くイラン革命政権の最高幹部をしているわけで(現在80歳)、人に何かを言われたからと言って、簡単に意見を変える人物ではありません。

ハメネイ師やトランプ大統領のような人物に細かい理屈を言っても、あまり効果はないでしょう。それよりも、彼らの主張の弱点を突くことによって考えを変えさせるのが、効果的だと思います。両者ともその主張に弱点があります。

ハメネイ師やトランプ大統領は国家の代表であり単なる個人的な存在ではありませんが、相手が個人だろうが国家だろうが、説得をするやり方は基本的に同じです。

イランは中東のリーダーになるためにイスラエルと対抗しています。アメリカがイスラエルを支援するから、アメリカとも戦うわけです。イランは革命政権でイスラム教の教えが絶対ですから、それに正面から反対してもかえって仲介がうまく行きません。そこで「現実の情勢を見たらどうですか」とハメネイ師を説得していくのです。

アメリカの経済制裁によって、イランの経済はガタガタになり、インフレ率が30%になり財政赤字がひどくなっています。失業が増えて多くの若者はいまの体制が崩壊することを望んでいます。イラン国内にいるクルド人は、仕事を求めてイラクやトルコのクルド人地域に出稼ぎに行っています。そしてこれらの国々のクルド人が連携して、イラン国内のクルド人を独立させようとしています。

「イスラムの大義」のためにイスラエルと戦うのであれば、サウジアラビアなど他のイスラム諸国もイランの戦列に加わってくるはずですが、実際にはこれらの国は、イスラエルよりもイランを警戒しています。

以下はひと続きのシリーズです。

6月28日 「イラン核合意」は中途半端

6月29日 イランは本気でイスラエルに対抗している

6月30日 イランは、中東のリーダーになろうとしている

7月1日 ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した

7月2日 アメリカの正副大統領は、聖書に書かれていることはすべて本当だ、と信じている

7月3日 中東で大戦争が起き世界を大災害が襲った後神の国が現れる、と多くのアメリカ人が信じている

7月4日 アメリカがイスラエルを支援しているのは、宗教的な理由から

7月5日 イランとアメリカの間を仲介できるのは、日本だけ

7月6日 アメリカとイランの対立は宗教対立である

7月7日 「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある

7月8日 イランの革命防衛隊がタンカーを攻撃した可能性もある

7月9日 イランの安定は、日本にとって非常に重要である

7月10日 ハメネイ師は、安倍総理と今後も話し合いを続けることを望んだ

7月11日 イランとアメリカの主張には、それぞれ弱点がある

7月12日 イスラム教によって中東をまとめることは、できない

7月13日 聖書の預言がいつ起きるのかは、分からない

7月14日 神様を召使いにする考え方

7月15日 アメリカでは、外国人も意見を述べることができる

7月16日 日本もそろそろ他国の世論を誘導する技術を磨いたほうがいい

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