「イラン核合意」は中途半端

令和に入ってから、世界は激しく動いています。今日からG20が始まり、安倍首相がホストとして指導力を発揮し、米中の関税戦争によって世界経済が悪化することを防げるか否かが問われていますが、そう簡単にはいかないでしょう。

先月25日にトランプ大統領が来日して新しい天皇陛下に謁見したついでに安倍総理と会談しました。その時に安倍総理はトランプ大統領からイランとアメリカの間の仲介役になってほしいと頼まれました。そこで今月の12日~14日にイランを訪問し、ホメイニ大統領と最高指導者ハメネイ師と会談してきました。

いまアメリカとイランがもめているのは、2015年にイランと6ヶ国(米英仏露中独)との間で合意した「イラン核合意」を、トランプ大統領が一方的に破棄したことが原因になっています。

この核合意は、イランがウラン濃縮施設や遠心分離機を作り核兵器の開発に乗り出したので、六か国がイランに核兵器の開発スピードを遅らせることを条件に、イランに対する経済制裁を撤廃する、という内容です。

この核合意は、アメリカのオバマ大統領が積極的に推進しましたが、内容が中途半端なものでした。イランは核開発を完全に止めるというのではなく、開発のスピードを遅くするというだけのことだったからです。

トランプ大統領は、オバマ大統領のやった事を片っ端からひっくり返していますが、イラン核合意に関しても、「中途半端で無意味だ」として合意を破棄し、イランへの経済制裁を復活させました。

経済制裁の中にはイラン産の原油を買わないという項目もあり、日本や欧州などにもこの制裁への協力を求めています。日本にとっては、イラン産の原油が買えずエネルギーの安定供給に支障が生じるというのが、一番の問題になっています。

トランプ大統領が一方的に合意を破ったので、イランだけでなく英独仏もアメリカに反発しています。これらの諸国が反発するのももっともですが、そもそもイランの核開発を遅らせるだけで、完全に止めさせるのではない中途半端な合意をしたことも問題です。このような状況の中で、安倍総理はトランプ大統領に頼まれて、仲介役をつとめたのです。

以下はひと続きのシリーズです。

6月28日 「イラン核合意」は中途半端

6月29日 イランは本気でイスラエルに対抗している

6月30日 イランは、中東のリーダーになろうとしている

7月1日 ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した

7月2日 アメリカの正副大統領は、聖書に書かれていることはすべて本当だ、と信じている

7月3日 中東で大戦争が起き世界を大災害が襲った後神の国が現れる、と多くのアメリカ人が信じている

7月4日 アメリカがイスラエルを支援しているのは、宗教的な理由から

7月5日 イランとアメリカの間を仲介できるのは、日本だけ

7月6日 アメリカとイランの対立は宗教対立である

7月7日 「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある

7月8日 イランの革命防衛隊がタンカーを攻撃した可能性もある

7月9日 イランの安定は、日本にとって非常に重要である

7月10日 ハメネイ師は、安倍総理と今後も話し合いを続けることを望んだ

7月11日 イランとアメリカの主張には、それぞれ弱点がある

7月12日 イスラム教によって中東をまとめることは、できない

7月13日 聖書の預言がいつ起きるのかは、分からない

7月14日 神様を召使いにする考え方

7月15日 アメリカでは、外国人も意見を述べることができる

7月16日 日本もそろそろ他国の世論を誘導する技術を磨いたほうがいい